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手紙のススメ vol.7 漢字とひらがなのバランスが印象を変える


手紙のススメ vol.7 漢字とひらがなのバランスが印象を変える

株式会社山櫻のセカンドブランド +lab(プラスラボ)のクリエイティブディレクター 大場敦子さんによる連載企画「WATASHINO的 手紙のススメ」では、手紙もひとつのコミュニケーションツールでありビジネスツールであると考え、“「ワタシ」を印象付ける”をキーワードに手書きの手紙にまつわるコラムをお届けします。


漢字とひらがなの表記を使い分ける

あなたは、あなた以外の人にどんな印象を持ってもらいたいですか?

文字で印象が変わるというと文字の形のことが一番に思い浮かぶかもしれませんが、漢字とひらがなの量のバランスでも印象が変わります。つまり、ご自分が手書きする文字の形はいつものままで印象を変えることができるということです。これは、手書きに限らずメールなどのデジタル媒体でも印刷物でも同じことが言えます。

まずは、ご自分が相手にどんな印象を持たれたいか考えてみることも必要かもしれませんね。手紙でも書類でも相手があることが前提のものは、読みやすさも考えて漢字とひらがなの表記を使い分けるといいでしょう。

おススメは、漢字4割ひらがな6割です。この割合は、少しやわらかい印象となりますから特に女性に、男性なら漢字3割ひらがな7割くらいがシックリくるかもしれません。

漢字が多過ぎると堅い印象を与えるだけでなく、読みにくさにつながることもあります。また、ひらがなが多過ぎても読みにくく稚拙な印象となってしまいます。






漢字とひらがなのバランスで印象が変わる

特に伝えにくい書きにくいと感じる、お詫びやお断り、依頼やお願いなど、粗相がないようにきちんとしなければという気持ちが漢字を多めにさせます。普段使うことのない難しい漢字をわざわざ調べてまで使ってみたり…心あたりはありませんか?

逆に、きちんと堅い印象にしたいときは漢字を多めに使えばいいのですが、読みにくくなっていないか確認はしましょう。ことばの印象の例(ここでは3つの表記を紹介します)と、画像で一筆箋を使った短い手紙の例を紹介します。
漢字とひらがなのバランスでの印象の違いを確認してみてください。


皆様 → 皆さま → みなさま
お疲れ様です → お疲れさまです → おつかれさまです
有難う御座います → 有難うございます → ありがとうございます
宜しくお願い致します → よろしくお願い致します → よろしくお願いいたします
御目出度う御座います → お目出とうございます → おめでとうございます

いかがですか?このコラムはデジタル媒体で読んでいただいてますが、手書きでも印刷物でもあまり印象の差はないと思います。もちろん、漢字とひらがなの表記だけが印象を決めるわけではありませんが、印象の差があることは感じていただけたと思います。

普段から漢字を多く使いがちな方は、前述の例に加え、以下のような文字をひらがなにすると印象を変えることができます。


改めて → あらためて、 更に → さらに、 この度は → このたびは、 頂きます → いただきます、 下さい → ください、 色々 → いろいろ、 様々 → さまざま、 お陰様で → おかげさまで、 頃 → ころ・ごろ、 等 → など、 為 → ため、 折角 → せっかく、 是非 → ぜひ などなど





どんなバランスが正解ということはありませんし、きっちり文字数を数えて割合のバランスをとる必要もありませんが、ご自分が相手に感じてもらいたい印象と読みやすさを考えて漢字とひらがなの表記を使いわけてみましょう。

さらに、この言葉(気持ち)は漢字で伝えたい、ひらがなやカタカナが合ってるなぁなどと考えながら文字を書くと、いつもと同じ自分の文字も伝わり方や印象が変わってきます。






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WRITER

大場 敦子 Atsuko Oba
+lab(プラスラボ(R)) クリエイティブディレクター
デザイン、印刷関連、雑貨店などの仕事を経て、株式会社山櫻で文具のブランド「+lab」のクリエイティブディレクターを務める。